安楽死と尊厳死の違いを分かりやすく解説!自殺幇助についても

生活
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先日、日本で違法に安楽死が行われたことによって注目が集まっている安楽死問題

その安楽死について調べてみると
同様に議論に上がってい尊厳死そして自殺幇助などが出てきます

全てが本人の意思などによって命を終わらせることには変わりは無いのですが

その違いってなんなのでしょうか?

今回は

  • 安楽死(積極的安楽死)
  • 尊厳死(消極的安楽死)
  • 自殺幇助などについてお話ししていきます
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安楽死について分かりやすく解説!積極的安楽死とは?

日本で医者が患者の命を終わらせる行為というと頭に浮かぶのが安楽死ですが

安楽死または積極的安楽死

  • 回復の見込みのない患者に対して、本人の意思の元
    医師の手によって、薬物投与などによって命の終わりを迎えること
  • 一般的に治療法がない病気などで患者が精神的、肉体的に耐え難い
    苦痛から逃れられないこと
    本人の意思がはっきりとしていて命の終焉を望んでいること
    などが条件に挙げられます
  • 自然に死を待つのではなく、致死薬の投与などを行い
    積極的に命に終わるをつけること
  • 広義的な安楽死の意味としては
    『人や動物に対して苦痛を与えずに死に至らせる事』ともされます

安楽死を認めている国で有名なのは、オランダですがこの国で安楽死が認められた背景には『かかりつけ医制度』が大きいです

オランダは全て国民が『かかりつけ医』を決めて政府に届け出を出す『かかりつけ医制度』が存在し

この制度によってかかりつけ医と患者の関係はとても深いものとなっています

 

患者が意思を信頼し、医師も患者のことを深く理解しているからこそ安楽死が認められているのです。

 

例えば先日、日本で起きた安楽死事件は、医者と患者のが面識がなかったことが問題とされました

患者が不治の病であり、医者に頼んだのだから。。。と思ってしまいますが

患者の方がもともと鬱症状に悩まされていたら、病気の症状だけでなく

治療できる範囲での治療で患者の要望に答えられるものだったとしたら
処方される答えは、命を終わらせる事ではなく、カウンセリングが治療だったかも知れません

辛い症状だし本人も望んでいるからと安楽死を実行して言い訳では無いのです。

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尊厳死とは分かりやすく解説!消極的安楽死とは?

安楽死と混合もしくは同じに考えられることもある尊厳死とはどの様なものなのでしょうか?

尊厳死または消極的安楽死

  • 回復の見込みの無い、病気や怪我を負った患者に対して
    本人や本人の家族の意思によって生命維持装置外し
    自然な寿命に任して命の終わりを迎えること 
  • 生命維持装置や薬の投薬なしでは亡くなってしま患者を
    沢山の管やセンサー、点滴をつけて延々といき続けさせるのは尊厳を保っていないと患者が考えた時に本人の意思と尊厳を保つ為の考え方
  • 安楽死よりも多くの国で認められている
    (最近では韓国でも認められた)
  • 尊厳死は、消極的安楽死と積極的安楽死の両方を意味する場合もある

スパゲッティ症候群という言葉があります
患者に沢山の生命維持装置、点滴の管やセンサーの線などが大量につけられている事を表しているそうですが

例えば、事故で重傷を負っている人がこの状態になっても回復すれば元の状態に戻れますし必要な事だと思います

しかし、高齢の患者さんや末期ガン、不治の病にかかっている方が、回復のあてもなく大量の管に繋がれ、投薬によってギリギリ延命されている

果たしてそれは正しい事なのか?
家族はその姿を見た時にどう考えるのか?

その様な考えから、QOL(クオルティー・オブ・ライフ)の為のQOD(クオルティー・オブ・デス)
人生の質の為の死の質として議論されています。

 

尊厳死を認めている国としてはアメリカ(一部)が有名です

アメリカでは尊厳死の事を『Death with Dignity』と呼びます

一般的にアメリカでは安楽死という表現はなく尊厳死が主に使われます。

私の勝手な印象ですが、アメリカの難病や重大事故に関してのニュースでは
『〇〇日に患者の尊厳を考えた家族の要望によって生命維持装置が外され同日に患者は亡くなった』

などで締めくくられている記事を見かけることが多い気がします

医療の発達によって、死が少し遠いものとなった現在
その延命治療が本人の生き方や尊厳に本当に必要なのか?
医療大国そして高齢化社会が問題になっている日本でも深く考えられるべき事だと思います。

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自殺幇助とは分かりやすく解説

安楽死、尊厳死とは少し聞きなれない自殺幇助とは何を表すのでしょうか?

自殺幇助とは

  • 簡単に言えば自殺の手助けをする事
    幇助は手助けの意味
  • 医師などの第三者が患者に対して、致死薬などを提供し
    患者がそれによって自殺する事
  • 自殺教唆は、人を唆し自殺させること
    同意殺人は、殺そうとした相手の同意を得て殺すこと
    自殺幇助は本人が自らの意思によって自殺することなので
    安楽死とも違う
  • 薬品でなくとも、例えば何に使っているか把握しながらロープを
    用意して渡し、それを使い自殺した場合も当てはまる

 

自殺幇助が認められている国はスイスが有名です

この国では、医者であっても第三者が患者に対して薬物投与などで死を迎えさせる『積極的安楽死』は禁止されていて、許可されているのは自殺幇助のみです

また他の特徴として、スイスでは外国からの自殺幇助の受け入れをしていることや

他の国の安楽死と違い医師の審査を通過すれば末期患者以外でも自殺幇助を受けられることが挙げられます。

スイスでは20世紀の初めに自殺を合法化
また、犯罪に手を貸せば共犯しかし、それが犯罪で無ければ共犯では無い、その考えのもと

スイスでは『利己的な目的で自殺の幇助をしたら違法』との考え至りました

現在では自殺幇助を行う団体が複数存在し、会員になり年会費を支払えば誰でも自殺幇助の申請をすることができます。

良い点で考えれば
日々苦痛を感じていきている患者さんが、自分の手でいつでも自分の命を終わらせられる
権利を得ることは、先ほどの『QOL』生活の質の向上とも考えられることです

悪い点は
スイスでは自殺幇助団体は非営利とされていますが、多くの会員を抱えた為に膨大な資金を手にし団体の使用用途の不透明さが問題となりました。

すでに、自殺幇助団体はビジネスになっていると警告する方もいます

私的には本来、自殺幇助のある姿としては
高齢になり介護が必要になる前に家族に迷惑をかけない為
進行性の難病、末期ガンで苦痛の解放と自らの尊厳の為になどがあるとお思います

日本では自殺は社会問題となっています、この様な形で自殺幇助行う団体あった場合は精神的な苦痛(イジメ・生活苦・虐待)
などの自殺を選ぶべきでは無い問題を抱えた人が
自殺を選ぼうとするのを未然に防ぐことができるのでは?
とも思いますが、結局ビジネスになり
衰退するのが目に見えているとも感じます

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まとめ

今回は安楽死、尊厳死、自殺幇助について解説しました

  • 安楽死
    不治の病や末期ガン患者など慢性的に精神的肉体的に苦痛を感じている患者に
    対して本人の意思に基づいて医者が
    致死薬などを用いて命を終わらせる行為(積極的安楽死)
  • 尊厳死
    高齢の方や重症患者や不治の病、慢性的に精神的肉体的に苦痛を感じている患者に対し
    本人の意思または家族の意思に基づき生命維持装置などを外し自然の流れで寿命を迎える事
    消極的安楽死とも言われる
    安楽死、および積極的安楽死も尊厳死に含む考え方もある
    人生の質の為に死の質を向上させようという考え
  • 自殺幇助
    自殺に使用する薬品などを用意し自殺を幇助(助ける)事
    本人の意思で自殺を望み、本人の手で自殺に至る過程で手を貸すこと
    スイスなどでは健康でも高齢になった場合自身の意思で人生を終わらせる
    死を選ぶ権利として自殺幇助団体を使用することがある

日本では、安楽死、尊厳死は違法です(一度つけた生命維持装置は外せないが前々から本人の意思などで延命しないことを明言している場合延命治療を行わないことも可能)が海外では
死の質の向上、死の選択権を求める考え方が出てきています。

私自身は『死』というものが怖く何としても生き延びたいと考えてしまう事は多いですが
実際、回復の見込みがなく延々と生き続けるか?と言われると安易に答えを出せないです

海外では、安楽死などの議論の歴史は古く、世間一般的に議論されています
日本では、中学校で森鴎外の『高瀬船』で触れた覚えはありますが
死をテーマに話し合う事は少なく一般的ではありません
架空の人物の『死』がゲームや漫画などで娯楽として消費されているのに、現実の世界での
死を扱わない矛盾は迫り来る超高齢化社会を前に大きな課題ではと思いました

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