現在、アメリカでは、白人警官が無抵抗の黒人容疑者ジョージ・フロイドさんを押さえつけ殺害した事を皮切りに大規模なデモと暴動が起きています。
この様なアメリカの人種差別問題は、今に始まったことではなく過去から多くの問題が起きて度々話題になります。
また、トランプ大統領が就任する前から、彼の人種主義的な発言は問題になっていました。
トランプ氏が大統領に就任したことでアメリカの人種差別問題に影響はあったのでしょうか?
そんなわけでこの記事では
- アメリカに残っている人種差別問題や人種主義
- トランプ大統領の主義について
- トランプ大統領がアメリカの人種差別問題に与えて影響について
- アメリアかに言った際に体験したり話を聞いて思ったこと
みんな『ヒーロー』なんだよって考え
掲載していきます。
お話しします。
そもそも人種差別と人種主義とは?
人種差別とはどの様なことを表すのでしょうか?
人種差別撤廃条約ではこの様に述べられています「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって
政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での
人権及び基本的自由を認識し、享有(きょうゆう)し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するもの」
- 人種
- 皮膚の色
- 世系(家系)、民族、種族の出身
などで、人の事を、区別したり、排除したり、制限あるいは優先する事で
それを使って政治、経済、社会、文化、その他様々な公的生活での平等の立場の人権や基本的な自由
の認識、生まれ付きの権利を持つ事または行使する事、を妨げたり、脅かす目的を持ったり効果を持つこと。
考えは様々ですが、この様に定義を持って表すと、過去に体験したこと誰かの発言がそうなのではないかと思えますね。
この考えは、古代ギリシャの人々が、他民族をバルバロイと呼び差別していたことからも古くから存在することがわかっています。(漫画ヒストリエを読むとわかりやすいかもしれません)
人種主義とは?
人種主義は、格差を広げたり、差別、軽視などにつながる事に加え
社会的、経済的不平等の元になると考えられていています。
アメリカの人種主義社会や歴史
アメリカの人種主義的な考えは古くから存在し
イギリスから独立したアメリカでは、先住民である『インディアン』に対する行いを正当化する為に盛んに行われ。
また、アメリカ人の奴隷として強制的にアフリカ大陸から連れてこられた、黒人をはじめとする
有色人種に対する差別は合法でした。
この作品は、アフリカ系アメリカ人、クンタ・キンテが奴隷としてアメリカに連れてこられてからの子孫にも及ぶ100年間の話です。

1960年代までは、南部では、ジム・クロウ法という隔離政策があり
黒人や有色人種は白人と同じレストラン、トイレ、教室も隔離されていた
1962年の頃実話で、黒人のピアニスト、ドクターシャーリーと共に主人公トニーが運転手として、まだ強い差別が残っているアメリカ南部での2ヶ月間のツアーに回る話。トニーを含め、多くの登場人物が黒人の事を『黒人』としてでしか見ていない様子が多く描かれますが、シャーリーと過ごす事で変わっていくトニーの心情の変化が素晴らしいです。
グリーンブック公式サイト: https://gaga.ne.jp/greenbook/

アフリカ系アメリカ人公民権運動
1950年代〜1960年代に起きたアフリカ系アメリカ人が起こした
公民権の適用と人種差別をなくす事を目的として起こした運動です。
様々な黒人差別が続くなか
『バスの黒人専用席に座っていた女性が、席のなかった白人乗客および白人運転手に、席を譲る様に頼まれ拒否した為に逮捕された事件』がもととなり
キング牧師が市民に対し、バスの乗車ボイコットを行う様に促しました
この運動には、黒人を始め共感した白人も賛同し、バス会社は経営に打撃を受けた上
1956年には合衆国最高裁判所が『バスの中での人種による席の指定は違憲』とする判決をだし運動は正式に終了。
この運動や判決が影響しアメリカの南部では、反人種差別運動が加速します。
運動は、多くが非暴力の形をとり
- 人種差別的な行いをしている、施設へのボイコット
- レストランや交通機関で『白人専用』の席に座るシット・イン
などを行いました。
しかし、警察などは、治安維持として暴力的な弾圧もおこない
その為、暴動につながる事もあったが、警察の行いはマスコミで大きく報じられた為に
アメリカの人種差別と非暴力のデモを多くの人が知ることになりました。
現在も行われている平和的なデモと警察の対応
略奪を止めるデモ参加者
デモ隊の略奪を止めるため、店の前に必死で立ち塞がる黒人の抗議者たち。
テレビには暴徒化したデモ隊の映像が溢れる一方、こうした光景はなぜか放送されない。
(現地時間5月30日夜、ニューヨーク市・ブルックリン)#newyorkprotestpic.twitter.com/AhpYm7gNB6— 犬飼淳 (@jun21101016) May 31, 2020
ワシントン大行進
1963年8月28日 ワシントンD.Cでおこなられた20万人以上が参加した行進運動。
この行進の最中に、キング牧師は有名な演説『I Hava a Dream』をおこないました。
私には夢がある。
それは、いつの日かジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。私には夢がある。
それは、いつの日か、不正と抑圧の炎熱で焼けつかんばかりのミシシッピ州でさえ、自由と正義のオアシスに変身するという夢である。私には夢がある。
それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのも のによって評価される国に住むという夢である。今日、私には夢がある。
私には夢がある。それは、邪悪な人種差別主義者たちのいる、州権優位や連邦法実施拒否を主張する州知事のいるアラバマ州でさえも、いつの日か、そのアラバマでさえ、黒人の少年少女が白人の少年少女と兄弟姉妹として手をつなげるようになるという夢である。
今日、私には夢がある。
運動による変化
この一連の運動によって、大きな成果が起きます。
1960年に発足した、ジョン・F・ケネディ政権は、ジム・クロウ法を禁止する法を成立させ
ジョン・F・ケネディ暗殺後、大統領に就任した、リンドル・ジョンソンは
1964年に『公民権法』を制定、これによってアメリカでの『法の上での差別』は終わりをます。
ケネディ政権下では、黒人の社会進出や経済的地位の向上を目指し
企業、大学、役所に白人と同数、もしくは優先的に採用する様に義務ずける
アファーマティブ・アクション政策も取られた。
無くならない人種差別、現代アメリカの人種差別
法律上、人種差別がなくなったとしても、全ての人種差別がなくなったわけではないです。
アメリカでは、刑務所にいるのは圧倒的に黒人が多いし、警官に暴力を振るわれたり、銃撃されたりするのも圧倒的に黒人が多い。
麻薬の使用率の統計は、白人と黒人で変わりは無いのに逮捕されているのは黒人が多い
これは、白人が麻薬を使用しても、依存症の治療など保護的な扱いを受けることができるが
黒人の場合は逮捕に繋がるからです。
比率からも分かる
アメリカの人口の12%が黒人
しかし2011年に財産犯罪で逮捕された人の30%が黒人、暴力犯罪では38%を占めていたり
交通では、警官に停止される割合は変わらないのに、車内捜索される割合は黒人が3倍高く
黒人ドライバーは白人やヒスパニッシュの2倍警官による、暴力や脅迫を受けています。
また、アメリカで2015年警官によって銃殺された人数の統計は
人種と民族 | 100万人当たり | 合計1093人 |
ネイティブアメリカン | 5.49人 | 13人 |
黒人 | 7.69人 | 307人 |
ヒスパニック | 3.45人 | 195人 |
白人 | 2.95人 | 584人 |
アジア人 | 1.34人 | 24人 |
となっていて、比率から見ても明らかにおかしいことがわかります。
白人は合計では584人黒人の307人の倍近いでうすが、100万にあたりだと黒人の方が白人の2倍の数字になります。
簡単に言えば、同じ人数いたら黒人が警官に撃たれる確率は2倍の確率だということです。
しかも、黒人の事を白人の警官が撃ったケースではを過剰防衛だと思える事件でも警察側が罪にとれれないことも多いです。
裁判ですら、黒人は不利
この様な、黒人に対する警官や裁判での対応をめぐる問題を扱った作品があります。
2017に公開されたこの映画は1967年に実際に起きた『アンジェ・モーテル事件』
を元にしており、黒人に対する、暴行、職権の乱用、そして裁判における不合理さなどを扱っています。

デトロイト公式サイト:https://longride.jp/detroit/
1992年にロサンゼルスで起きた暴動、ロドニーキング事件について扱った作品
黒人のロドニー・キングはスピード違反からのカーチェイスの末、車から引きずり降ろされ
警官から、過度な暴行を受け重傷を負います。
その様子を捉えたビデオによって警官は告発されますが、無罪に
それにより、大暴動が始まります。

ナショナルグラフフィックの番組紹介ページ

もちろん警官が全員そんな人ばかりでは無くてこの様な人達もいます。
黒人の逮捕が多いのは結局黒人が犯罪を犯しやすいからだ!という声
今SNSを見てみると
『黒人が捕まるのは、この様な扱いを受けるのは犯罪によく走るから』という意見が見られました
今度は人種差別の問題を、現在の話題の『警官』ではなく、社会的な方から見てみます
アメリカの新型コロナ感染重傷者に黒人が多い理由として、黒人の貧困率の高さが指摘されるほど
アメリカ社会では、黒人の貧困率の高さが問題となっています。
黒人の平均貧困率は、22%で白人9%の2倍以上
米社会では起きない様尽くしているが、就職で差別を受けやすいの黒人
その上、逮捕されやすく前科も付きやすい、そうなればさらに就職もし辛くなり
働けるのは低賃金で就職しやすい職場それらによる生活レベルの低下は、次の世代の教育レベルにつながる
貧困ゆえ、教育のレベルが下がる、しかも社会では人種差別もあり偏見を持たれている
完全に負のスパイラルですよね。
アメリカのホームレスの半数は黒人との統計もあります。
そして先述の通り、黒人は警察に逮捕や不当な脅迫も受けやすい
その生活から、逃れるた為に犯罪を犯す、そもそもそのような生き方しか知らない
犯罪を肯定することはできないですが、社会がその状態に陥れさせているのは明白
不条理な社会で生活していることも理解できます。
「なんでプールで勝手に泳いでるんだ!お前らがそんなんとこに住めるわけない!」
的なことを言い続けます。
トランプ大統領と人種差別
トランプ大統領が、就任する前から彼の人種差別的な発言は問題視されていました。
また、2019年のワシントンポストの世論調査の結果、アメリカの黒人の80%以上が
トランプ大統領を人種主義者だと思っている思っています。
2016年8月19日
大統領選挙で、黒人層の支持を訴えるための演説で
共和党ののトランプ氏は民主党政権で黒人層の生活を伝えたかったようですが、言葉を選ばなかった余り、侮辱する発言となってしまいました。
このコメントに対しては、トランプ氏が黒人に対して完全な偏見を持った考え方をしていると話題になりました。
結果、大統領選で獲得した黒人の支持票は全体の8%でした。
そのほかにも
2019年には、民主党のアフリカ系アメリカ人下院議員カミングス議員を批判する際
と発言し問題になりました。
その数日前には、トランプ氏の批判をした、有色人種の議員に対して
『犯罪まみれの元いた場所に帰ったほうが良い』と発言。
So interesting to see “Progressive” Democrat Congresswomen, who originally came from countries whose governments are a complete and total catastrophe, the worst, most corrupt and inept anywhere in the world (if they even have a functioning government at all), now loudly……
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) July 14, 2019
軽微な罪の麻薬犯罪で服役している囚人の減刑や保釈する司法制度改革にも取り組んでいます。
黒人支援はしているが発言などが、人種差別の増長につながっていると考えられます。
しょうがないとは思いました。
バイデン氏も失言している
トランプ大統領の差別的とも取れる失言をあげましたが
11月の大統領選でトランプ氏と戦う、黒人からの支持も強いバイデン氏も失言をしています。
この発言は個人ではなく、人種として投票を促す様な発言とされ、批判が殺到し謝罪しました。
We are a nation in pain right now, but we must not allow this pain to destroy us.
As President, I will help lead this conversation — and more importantly, I will listen, just as I did today visiting the site of last night's protests in Wilmington. pic.twitter.com/0h2ApbKT0C
— Joe Biden (@JoeBiden) May 31, 2020
反人種主義的な活動もしている、けれどアメリカの人種主義的な歴史が長く発言や行動に影響を及ぼしている、という事です。
周りに大きな偏見が発生する様に私が思います。
まとめと個人的な意見
今回はアメリカの人種主義についてのお話と、人種主義者と言われるトランプ大統領についてお話ししました。
- 人種差別は、人種・皮膚の色・家系・民族などで人を区別し排除または優先する事で
政治や経済、社会、文化その他のあらゆる文化的な生活の分野での
『平等』に持っている人権、基本的な自由など生まれつき持っている権利を脅かす事 - アメリカでは独立の時から人種主義的な考え方存在した
- 黒人を対象とした差別を無くすために
『アフリカ系アメリカ人公民運動』があった
多くは平和的に行われた・ボイコットや白人の席に座るシット・インなど
警察の武力行使によって暴動が発生したこともある - 一連の運動のおかげで1964年に『公民権法』が制定『法の上での差別』終わる
- 現在も黒人は警察に
逮捕されやすい・脅迫暴力を2倍受けやすい・警官によって撃たれ亡くなるのは白人の2倍 - 黒人にそういう人が多いって意見もある
けれど、黒人の貧困率は白人の2倍以上
原因は、社会的にも残っていて人種差別そのせいで
低賃金、貧困に繋がり、次の世代の教育レベルに繋がってる
そのスパイラルは社会生んでいる。 - トランプ大統領
差別的な発言を対しかにしているが、黒人支援の活動もしている
この記事を書いていて思ったのは、私も含め、日本人がいかに人種差別について無関心であったかということです。
調べても、あまり記事は出てこず多くは、今回の出来事が起きてから書かれた記事が大半でした。
トランプ大統領やバイデン氏の発言から思っているのは
やはり『消そうとしても残っている』という印象
感情的になった際に相手を皮肉る際に、その様な言葉が出てしまうのとても残念なことです
1から全ての人が差別を無くす様に行動できたらと思います。
暴動や略奪を『富の分配』として正当化している人達を、肯定できないが否定もできないと書きましたが、そもそもその様な行動を起こさない、起こさなくていい社会になってほしいです。
個人的な話、『アメリカにいる人はみんなヒーローなんだよって話』
数年前に、私は長期休みを使いアメリカに旅行に行きました。
初めてのアメリカだったのですが、まず荷物が消えました(空港で止まった)
タクシー乗り場が分からす迷子になっていた私を助けれくれたのはアジア人の男性
ホテルについて、旅行会社のミスで部屋が無く電話しても対応して貰えなかった時に
『勝手に部屋作ったから泊まって!タダでいいから!』と手配してくれたのは、黒人男性でした。
遊園地で地図を見ていると、向こうから声をかけて助けてくれた人もいました。
ホストファミリーの家でいい人ばっかだったと話をすると。
『家族で出かけた時に、子供が熱中症で倒れてしまった。
どうしようかと思っていたら通る人みんなが、水を置いてってくれたんだ
アメリカでは誰かが困っている時、助けてあげようと行動する人は多いよ
みんなヒーローなんだよね』
そんな話をしてくれました。
この話を知っていたからこそ、色んな人に親切にしてもらった経験があったからこそ
今回記事を書いていて衝撃を受けました。
今回のデモでも日本では、デモの過激な側面ばかり捉えられていますが、多くの人が
非暴力で人種差別の撲滅を求め行動しています。
暴動となっている点は残念ですが、この行動は認められて
全ての人が住みやすい世界になればと思います。
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